謝らない日本の官僚
どうも日本の官僚は、「ごめんなさい。私共の誤りでした」と、言うのが苦手らしい。まあこれは日本の官僚に限ったことではないらしいので、役人という仕事がそういう人間を育てていくのかもしれない。俺の友人にも官僚がいるのだが、友人として付き合う分には優秀な気の良い奴らばっかりで、近頃の年金問題、薬事行政、あるいは建築行政の失態を見聞きするに付け、なんで優秀な奴らが寄り集まっていながらこういうことになるのか・・と、これは一つの謎である。
近頃は自分で役所へ行くことはめったにないが、昔は役所で役人と話して不愉快な思いをしたことは一度や二度ではない。役人と民間人が相対すると、役人の言うことは口から出たとたんに、その時その場では法律に準ずる言葉になる。戦前などと違い、役人と言えども最初から偉そうな口をきくのはさすがにあまりない。一応丁寧に挨拶はしてくれるが、一旦話し出せば、むこうは指導する人、こちらは指導される人だ。それを長く続ければ自ずと、自分が誤るなんてことはあり得ない気がしてくるのだろう。そうして謝ることもなくなる。いつでも謝る用意をしているような俺達民間人とは違う人種になっていくのだろうな。
11月1日の朝日新聞朝刊の第11面には、今年6月20日より施行された建築基準法等改正により、住宅着工件数が極端に落ち込んでいることを取り上げている。9月は前年比で44%の減であるが、10月は更に落ち込むかもしれない。こうなれば、実体経済に悪影響を与えるのは必至で、建物を建てるのに必要な時間が7、8ヶ月から長い時は2年ぐらいかかるのを考えれば、今直ちに着工件数が回復したとしても、その影響はこれから半年から1年以上も続くことであろう。確かに姉歯事件は建築の安全に対する信頼を大きく揺るがした事件であり、その再発防止のために建築確認審査などの審査システムを見直すことは、社会的な要請でもあっただろう。だが、この審査システムの極端とも言える厳格化が、実際には実行不可能に近いだろうという民間側からの意見を、国交省は結局、一顧だにすることなく、今回の無謀な改正施行に踏み切ったわけである。その結果、建築確認行政は恐ろしく不効率なものとなり、審査を通って着工に至る案件数が激減したわけである。本来、5年はかけて準備すべきほどの大改正を1年でやろうとした国交省の役人の頭の中は、「やれと指令を出しさえすれば、あとは民間はついて来る」という、民間の人間であれば信じられないような未熟な思考で埋められているのではないか。以下は新聞の引用だ。
経済同友会の桜井正光代表幹事は31日の定例記者会見で「建築基準法改正は、運用上では本当に耐震に影響するものから周辺に、何段階かに分けて広げていく(必要があった)。こういうことをやらないのは失政に近い」と国交省の運用のまずさを批判した。
このところ、国交省側も驚いて、建築確認審査における厳格化を緩和する通達を出している。少し客観的に見てみると実にぶざまである。しかも、それらの通達の中でも、彼らは「法改正の趣旨は理解された上で・・」と但し書きをつけたがる。端から謝る気は無い。「やろうとしたことは正しかったんだ」と言い訳をしつつ、「やりすぎないように」と、各都道府県に通達を出そうというのである。エエイッ!問答無用じゃ。
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