コクーンタワー/2008年西新宿
とある晴れた日のことである。俺は西新宿を何事もなく歩いていた。まったく油断していたと言えば油断していた。それは突然に俺の眼前に現れた。「な、な・・」と、俺はつぶやき、思わずあたりを見渡した。こんなものが・・大衆の目に堂々とさらされているのか。日本人もおおらかになったものだ・・いいやっ、羞恥心も地に落ちたものだ。俺の狼狽をよそに、皆何事もないかのごとく道を行く。
俺が大学に入って間もない頃、家族旅行をした。その時のことだが、どういうわけか親父が俺をとある秘宝館に誘った。自分一人で入るのが恥ずかしかったのか、それとも年頃の俺に親父なりの性教育を施そうとしたのか、よくわからないが、とにかくその秘宝館なるものに親父と二人で入った。色んな絵や写真もあったが、あれやあそこやに似た石や木の根っこなども展示してあった。そんなものに似ているのがどうというのか、俺にはさっぱり理解できなかった。しかし、そのような石や木が時には御神体になり、祭られたりすることもある。大概は安産や豊饒のご利益ありというふれ込みでだが。
この度の御神体、それは見事に天に向けそそり立っておる。それにまあ、これは書くのは憚られるが、書いておかぬと気づかない人もおるだろうから、羞恥心を捨てて書いておくと、この御神体はあれのように見えるだけではなく、あそこのようにも見えるのである。されば両性具有の御神体であったか・・・。
遥拝所と賽銭箱を設けるのなら、野村ビルの前辺りが良い。これほどの立派な御神体、日本の少子化にも歯止めがかかるかもしれん。はたして、東京モード学院はそこまで考えていたのか・・・立派だ。
惜しむらくは、足元に作られる予定の球体。何が入っているのか知らんが、一つじゃ足らんだろ。これは二つあるもんだ。
嫌いなのか?いや、好きだよ。けっこう好きな建物だ。ここまでやってくれるとね、面白いと思う。丹下健三亡き後、丹下事務所の最高ケッサクだ。丹下憲明よ、これで(血はつながっていないらしいが)父の丹下健三をやっと乗り越えた・・か。
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