麗しのキャンパス?/同志社
同志社大学の今出川キャンパスのことを続ける。
重要文化財に指定されている有終館。「有終の美を飾る」の「有終」だ。元々は図書館であった。それが新しい図書館ができたので、その役目を終えた・・ということから「有終館」と名付けられたらしい。この建物に限らず、同志社大学の建物は何かしら名前が付いている。黒色の煉瓦と白い石の帯がアクセントになっていて、遊び心が感じられる。建物の設計時には米国からの派遣宣教師が指導したと、建物正面に貼り付けてあるパネルに書いてあった。その宣教師の名前までは記してない。明治18年(1885年)に定礎が置かれ、2年後の明治20年(1887年)に竣工している。
有終館の南側外壁詳細です。
なかなかに凝ったデザインで、良いと思う。19世紀末に建てられた建物として革新的なものはないかもしれないが、軒蛇腹のデザインや柱の面取り、あるいは窓下の腰壁が黒煉瓦を交えた斜め張りになっているところなどは見所である。この建物の設計者はこの建物が皆に愛されることを願っていたんだろうな。そういうことが感じられる建物である。
この当時、米国の宣教師や伝道師は、キリスト教の布教と同時に、西洋建築の技法を日本に伝えることにおいて相当重要な役割を果たしたらしい。W.ヴォーリズは20世紀前半に建築家として実に多数の建物を日本各地に残したが、元々は伝道師を兼ねた英語教師として来日している。ヴォリーズの建物はファンが多いと思う。こんな優秀な建築家が20世紀前半に日本に住みついて、数多くの名建築を生み出したことは奇跡的なんじゃないかな。ま、これは余談だが。
次の建物はクラーク記念館だ。これは同志社大学のシンボル的存在で元は神学館として建てられた。やはり重要文化財に指定されている。ドイツ人建築家R.ゼールの設計で、明治26年(1893年)に竣工している。ドイツ人らしい重厚館のある建物で、美しい。
建物玄関の前にある説明書きには「ドイツ・ネオ・ゴチック調」とあるのだけれど、これって正しいの?全体の印象はロマネスクに思える。ネオ・ロマネスク。ただ、俺は西洋建築史の専門家じゃないからね。
時代から言えば、そろそろ過去の洋式建築からの離脱が始まる頃。しかしそういう歴史上での位置づけは抜きにして、よくできていると思う。ずっしりとした存在感で、構成がしっかりしており、本物の匂いがする。中も見たいのだが、黙って入るのは憚られる。2階には礼拝堂もあるらしい。
アメリカ人実業家J.N.ハリス氏の寄付金で建てられた建物で、設計は英国人建築家のA.N.ハンセル氏。1890年(明治23年)の竣工である。これも重要文化財指定である。
全景を撮るには木が邪魔になる。でもこうして見ると、綺麗なキャンパスだね。ただ、こういう建物が、キャンパスの主たる構内道路に面してまるで展示品のように行儀良く建っている。それがやや俺には物足りない。これらの建物で構成される同志社大学今出川キャンパスは、魅力的であると同時に排他的である。attractiveであると同時にexclusiveであるというのはどういうわけか?
大学のキャンパスというのは一つの街のようなものだ。その構成や意味を問い、解釈していくのは都市を問うことと似ている。一つはっきりさせておこう。都市は建築の陳列場ではない。
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